今、隣にいる人はコロナに感染していないですか?
そう聞かれても、わからないですよね。
たとえ隣の人がコロナに感染していたとしても、うつらないように最低限守るべき感染管理上のルールのことを標準予防策(スタンダードプリコーション)と言います。
そんな標準予防策について見直していきましょう。
標準予防策(スタンダードプリコーション)とは?
標準予防策(スタンダードプリコーション)は、感染の有無に関わらず全ての人の血液、体液(汗を除く)、分泌物、排泄物、粘膜、損傷した皮膚を感染性の可能性があるとみなし、患者と医療従事者双方の感染を減少させる予防策です。
一方で、特定の状況や場面においては特別な感染対策が必要となります。
「感染経路別予防策」はこちら
具体的項目
標準予防策は米国疾病管理予防センター(CDC)より提唱され、「病院における隔離予防策(1996年)」「隔離予防策のためのCDCガイドライン(2007年)」に示されています。
ガイドラインでは、普遍的に行うべき具体的な予防策として、以下の項目が規定されています。
・手指衛生
・個人防護具(PPE)の使用
・咳エチケット・呼吸器衛生
・患者配置
・患者ケアに使用した器材・器具・機器の取り扱い
・環境整備
・リネンの取り扱い
・安全な注射手技(血液を介した感染の防止)
・腰椎穿刺時の感染対策
基本は手指衛生!
感染対策の基本は何と言っても手指衛生です。
手指衛生は、適切なタイミングで確実な手指衛生を心がけましょう。
「速乾性手指消毒剤(アルコール製剤)による手指衛生」はこちら
また、感染対策は自身だけではなく、そこにいる全ての人が実践できるよう促していく必要があります。
「啓発ポスターの有効な設置場所」はこちら
咳エチケット・呼吸器衛生
2007年に発表された「隔離予防策のためのCDCガイドライン」では、咳エチケットも標準予防策の一つに追加されました。
咳やくしゃみがあるときにはマスクなどを用いて口や鼻を覆い飛沫が飛び散らないように努め、分泌物で汚染された手指はしっかり消毒しましょう。
コロナ流行中は飛沫感染予防策も標準的に!
新型コロナウイルス流行中は、どこに感染者がいるかわかりません。
新型コロナウイルスは咳やくしゃみを介した飛沫感染が主な感染経路です。
新型コロナウイルス流行中は、飛沫感染に対する予防策も標準的に行っていくようにしましょう。
飛沫が飛散した物品を触れば接触感染も起こりうるため、日々の手指衛生も効果的です。
また、新型コロナウイルスにおいては空気感染と類似の感染様式を示す事例が数多く報告されており、咳やくしゃみ、会話のときに口や鼻から出る小さな粒子(エアロゾル)による感染も否定できないと言われています。
1~2m以上の距離を保つだけでなく、3蜜を避ける行動、つまり換気を行い、混雑を避ける行動を意識しましょう。
さいごに
新型コロナウイルスの流行で幸か不幸か感染対策に対する意識変容が起こったことは間違いありません。
インフルエンザやノロウイルスなどの今まで散々苦労してきた感染症が嘘のように減少しました。
適切な感染対策が広く実施されるよう協力して取り組んでいきましょう。