腎機能をどう評価すればいいのか?
腎機能の正しい評価は非常に複雑で難しい面があります。(正確には各薬剤の試験背景を知ることが必要)
- GFRとCCrの混在
- 実測値と推算値の混在
- 個別化腎機能(mL/min)と標準化腎機能(mL/min/1.73m2)の混在
- CCr(Jaffe法)とCCr(酵素法)の混在
- 各腎機能評価値の関係を補正する方法が様々存在
まず最初に覚えて欲しいポイントについてまとめました。
eGFRから評価する方法(CCrJaffe法 ≒ eGFR)
Cockcroft-Gault式(CG式)から評価する方法
腎機能の評価にはeGFR以外にも様々な指標が存在します。
・CG式およびほとんどの抗菌薬はJaffe法(欧米)を用いた血清Cr値を基に作成されているため、酵素法(日本)により測定された「血清Cr値に0.2mg/dLを足す」必要がある。
・CG式では体重の概念が含まれており影響が大きい。肥満患者など体格によっては「理想体重から算出」する必要がある。
実際の計算は日本腎臓病薬物療法学会のホームページが便利です。
評価の際の注意点
高齢の(筋肉量が少ない)フレイル症例では過大評価に注意
クレアチニンという指標を用いる以上、筋肉量や年齢の影響は避けて通れません。
シスタチンCなどの指標を用いることによって、より正確な予測が可能となります。
いずれの指標を用いるにしても、その特性(特に体型)を理解して評価して頂ければと思います。
さいごに
抗菌薬の基本は最大量を短期間投与です。
正しい腎機能の評価の参考にしていただければ嬉しく思います。