流水と石鹸による手指衛生(手洗い)

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非常に効果の高い「速乾性手指消毒剤(アルコール製剤)」ですが、アルコールが無効で「流水と石鹸」による手指衛生(手洗い)が必要な場面があります。

・目に見える汚れがある場合
・タンパク性物質、血液やその他体液(下痢や嘔吐など)により汚染されている可能性がある場合

以上の場合、「流水と石鹸」による手指衛生(手洗い)を行う必要があります。

【感染制御】流水と石鹸による手指衛生の具体的方法

確認チェックリスト

□ 時計や指輪は外していますか?
□ 爪は短く切っていますか?
□ 水を2~3秒流してから洗っていますか?出始めの水は汚染の可能性)
□ 十分にぬらしてから石鹸をつけていますか?
□ 洗面台に手が触れないように洗っていますか?
□ 指先から水が落ちるようにすすいでいますか?
□ 水が周囲にはねないように注意していますか?
□ ディスポ(使い捨て)タオルで十分に水分を拭き取りましたか?

前回の「速乾性手指消毒剤(アルコール製剤)による手指衛生」とは順序が異なっていることに気づきましたでしょうか?

ポイントは「指先・爪の間」をいつ行うか!

速乾性手指消毒剤(アルコール製剤)の場合、液量がしっかりある状態で「指先・爪の間」を消毒します。

手洗いの効果は?

「流水と石鹸」による手指衛生でも重要なことは時間です。
一般的には「30秒以上」かけて実施することが推奨されています。

また、せっかく手をキレイにしても水を止めるときに蛇口(汚染物)を触ってしまっては、元も子もありません。
ディスポ(使い捨て)タオルで蛇口を閉めるなど、手指衛生の後は汚染された可能性があるものには直接触れないことに注意しましょう。

アルコールが無効な感染症は?

アルコールが無効な感染症の場合、「流水と石鹸」による手指衛生が必要となりますので、覚えていただけたら嬉しく思います。

芽胞(殻)を形成する細菌

  • バシラス属(納豆菌、セレウス菌)
  • クロストリジウム属(破傷風菌、ボツリヌス菌、ウェルシュ菌、ディフィシル菌

エンベロープ(膜)を持たないウイルス

DNAウイルス

  • アデノウイルス(プールで感染する咽頭結膜熱)
  • ヒトパピローマウイルス
  • ヒトパルボウイルス

RNAウイルス

  • ノロウイルス(牡蠣などの食中毒、胃腸炎)
  • ロタウイルス(白いうんち、小児)
  • ポリオウイルス
  • コクサッキーウイルス
  • エンテロウイルス
  • A型肝炎ウイルス(糞便感染、不衛生な水・食器)
  • E型肝炎ウイルス

その他

  • 疥癬(ヒゼンダニ、皮膚の痒み)

さいごに

手洗いは感染対策の基本です。
手指衛生を心がけ、習慣づけていきましょう。