廃棄容器は「8割」で捨てよう!

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まだ入るだろうと(感染性)廃棄容器をいっぱいになるまで使用していないですか?
確かに(感染性)廃棄物の処理には多くの費用が掛かります。
重さと個数、委託業者にもよりますが、一つ数千円なんてことも!
毎日一つの病棟から一つの(感染性)廃棄物が出るとしたら年間では、、、!?
ものすごい費用ですよね。
そのため、満杯になるまで溜めている人がいるのも事実です。

それでも(感染性)廃棄物は満杯にして欲しくはないんです!
今回は廃棄容器を「8割」で捨てる理由について考えていきたいと思います。

「押し込む」ことはやめよう!

満杯なるのもそうですが、廃棄容器からガウンの袖やひもが外に飛び出しているのを見たことはありませんか?
外にはみ出たガウンを廃棄容器の中に素手で「押し込む」とどのようなリスクが生じるのでしょうか?

職業感染制御研究会エピネット日本版)による「針刺し・切創 2017年度」では、実際に針刺し・切創が起きた状況として下記のように報告されています。

  • 廃棄ボックスに器材を入れる時(6.2%)
  • 廃棄後ゴミ袋や不適切な容器から突き出ていた器材(1.5%)
  • 廃棄後に廃棄ボックスの投入口からはみ出していた器材(1.1%)
  • 廃棄ボックスの上やその近くに放置してあった器材(0.5%)
  • 廃棄ボックスの投入口以外の部位から突き出ていた器材(0.4%)

あれっ、、、と思いませんか?
通常、廃棄容器から鋭利な針が突き出すことはありませんよね?
ただ、実際に針刺し事故は起きているんです。
どういうことかと言うと、ガウンなどを捨てる段ボールの感染性廃棄容器に、間違って鋭利な廃棄物が混入していることがあるということです。

そんな廃棄容器を手で「押し込んだり」すると、間違って混入した鋭利な針が突き出してくることがあります。
「押し込む」ことが習慣化されていれば、なおさら感染のリスクが高まります。
トングなどを使用して自分が針刺ししなければいいという訳ではありません。
次にごみを捨てる人のためにも、廃棄容器が「8割」なのを見かけたら、積極的に容器を交換するようにしましょう!

感染性廃棄物については「こちら」に詳しく記事を記載しているので、そちらも参考にしてください。

個人防護具の脱ぎ方は適切ですか?

ガウンなどの個人防護具を適切に脱いでいますか?
適当にガウンを脱いでしまうと、廃棄物がかさばり、すぐに廃棄容器がいっぱいになってしまいます。
すぐに廃棄容器がいっぱいになるということは、廃棄容器を頻回に交換しなければいけないということです。
単純に大変ですよね!
一人ひとりの意識が、労力や時間の軽減に寄与します。
ガウンは正しい方法で小さくまとめて脱ぐように意識しましょう。

適切に脱ぐことは、周りの環境を汚染しないという暴露対策としても有用です。
忙しいとついつい疎かになりがちですが、今一度個人防護具の着脱方法について見直していただけたらと思います。

針刺ししてしまったら?

まずは落ち着いて「すぐに流水と石鹸で洗い流す」ことが大切です。
暴露された可能性のある体液の感染状況に応じて、相応の対応が必要となります。
詳しくは「針刺し事故の時、どう対応すればいいの?」に記事を記載していますので、参考にしてください。
一旦廃棄された注射針を使用した患者を特定するのは困難であることが多く、対応に苦慮することが多いのも事実です。

伝え方の例

あっ、危ない!!
大丈夫ですか?
ケガしてないですか?
良かったです。
私たちがなぜ、声を大にして注意したかわかりますか?
そうですね。
でも、●さん一人が悪い訳ではないんです。
前の人が交換していなかったことが悪いですね。
そういった病棟全体の意識も変えていかなきゃですね。
私たちもなるべく事故を起こさないようにしたいと考えていて、対策を一緒に考えていきませんか?

さいごに

廃棄容器は「8割」で捨てよう!
頭ではわかっていても、ついつい溜めちゃいますよね?
でも、次にごみを捨てる人のためと考えたら、しっかり「8割」で捨ててあげようと思いませんか?
どう病棟全員の共通認識とするかが難しいことも事実です。
今回のお話が、少しでもお役に立てれば嬉しく思います。