感染対策に有効な蛇口(カラン)は?

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「手洗い」は感染対策の基本です。
新型コロナウイルス感染症が流行した影響で、多くの人に手洗いの意識が浸透してきました。
そんな手洗いをする時に気になってしまうのが「蛇口(カラン)」です。
では、感染対策の視点ではどんな「蛇口」が良いのでしょうか?

蛇口(カラン)とは?

そもそも蛇口とは何なのでしょうか?
蛇口とは、水道水を運ぶ管の出口部分(器具)のことです。
水道水の流れを調製する栓がついているため、「水栓」や「カラン」と呼ぶこともあります。

自宅やオフィス、ホテルで様々な形の蛇口を見たことあると思いますが、感染対策という視点で考えたことはあるでしょうか?
今回はそんなお話です。

蛇口が原因と考えられる集団感染

そう考えられる新型コロナウイルスの集団感染(アウトブレイク)がいくつか報告されています。
2021年に発生した某地下鉄の運転士さんの集団感染事例では、「手で回すタイプの蛇口」が原因である可能性が示唆されています。
実際には、洗面所周囲で歯磨きなどを行っていたことなども原因の一つと考えていますが、感染対策という視点で蛇口を適切に使用しないと、集団感染が起こりうるということは事実です。
では、どういう蛇口がいいのでしょうか?

手指衛生(手洗い)の後に触らない構造がベスト!

大事なことは手指衛生の後に手が汚染されないように注意することです。
この集団感染事例においても、手洗いをした後に「手で回すタイプの蛇口」を触れたことにより感染が広まった可能性が高いと言われています。
手が汚染されたとしても、それだけで感染が成立する訳ではありません。
ただ、その手でお握りやサンドイッチを食べたら当然感染が成立する可能性があります。
せっかく奇麗にしようとした手洗いで感染が広まってしまったという、なんとも悲しい事件です。

タッチレス式(自動水栓)が増えている理由

タッチレス式(自動水栓)のメリットは、物理的に蛇口に触れる必要がないということです。
このメリットは非常に大きいです。
物理的に触れる必要がなければ、当然汚染されるリスクは減ります。
多くの自治体や学校でタッチレス式が増えている理由はここです。
特に子供などは、その手で顔や口を触ってしまうリスクが高いため、そのメリットも大きいと言えます。

ちなみに、感染症の領域では、出始めの水は汚染されている可能性があると考えられており、タッチレス式でも自由に吐水・止水が調節できるタイプ(フットセンサー式など)がより良いとされています。
その後にしっかりと手を洗いさえすれば関係ないとも言えますけどね。

レバー式やハンドル式でも良い!

では、タッチレス式が絶対的に良いのでしょうか?
決してそういう訳ではなく、ポイントさえ押さえてしまえば、レバー式やハンドル式でも良いんです。
そのポイントはやはり「手指衛生の後に手が汚染されないように注意する」ことです。
具体的には、「使い捨て(ディスポ)の紙を使用して水を止める」ことが有効です。
手洗いを行った後に、「速乾性手指消毒剤(アルコール製剤)で手指衛生」することも有用と思います。
いずれにしても、清潔な部分と汚染されている部分を意識することが大切です。

プッシュ式(自閉水栓)はなかなか難しい?

プッシュ式の蛇口を見たことはありますか?
時間遅延機能がついており、水栓が自動的(約4~6秒後)に閉じる蛇口のことです。
この蛇口のメリットは、吐水時間を調節することで、水とお金を節約できるということです。
では、感染対策としてこの蛇口は有効でしょうか?
感染対策としての手洗いは一般的に「30秒以上」かけて行うことが推奨されています。
このプッシュ式の蛇口で「30秒以上」かけて手洗いを行うと考えると、何回も汚染されている可能性がある部分を押す必要があります。
その都度、清潔な使い捨ての紙で押せば確かに良いかもしれません。
それが現実的に可能か、全ての人に周知できるかと言われると、なかなか難しいというのが現実であると思います。
逆に「30秒以上」水が流れ続ける仕様にすれば、意識づけとして有効な可能性もありますが、少し水がもったいない気もしますね。

蛇口を定期的に消毒することは必要なのか?

それが有用である場面も存在することは確かです。
不特定多数の人が触れる可能性がある場所(ドアノブや扉の取っ手、階段の手摺り、エレベーター内のボタンなど)は、1日1回以上の定期的な清掃(消毒)は大切です。
ただ、前に使用した人がコロナだったら意味がないですよね。
やはり大事なことは、毎回清潔操作を心掛けることです。

さいごに

今回は感染対策上、どんなタイプの蛇口が良いのか、お話させていただきました。
実際に色んな蛇口を使用していると、水が飛び跳ねる仕様のものであったり様々です。
大事なことは、どうしたら感染対策(清潔操作)ができるか意識してもらうことです。
正しい知識を共有して、より良い環境を作っていきましょう。

もちろん、手指衛生の方法なども大事です。

「流水と石鹸による手洗い」はこちら

洗面所に関しては、「使い捨ての紙を設置する」や「個人の物品(歯ブラシ、コップなど)を置かない」、「物品(皿など)を共用しない」などの対策も重要です。
感染を不用意に広めないために、少しでも参考にしていただければ嬉しく思います。