伝わる伝え方とは?

適正使用・制度
  1. ホーム
  2. 適正使用・制度
  3. 伝わる伝え方とは?

感染症に携わるということは、どの領域の医師ともコミュニケーションを取っていかなければいけないということでもあります。
とは言いますが、医療従事者はサラリーマンや営業の方々と比べて、コミュニケーションが苦手という方も多いのではないでしょうか?
届出書に対して適切にフィードバックできていますか?

「届出制抗菌薬の有効な活用方法」はこちら

今回は、フィードバックを行う時にどう話せば伝わるのか!?
ビジネスの現場でよく用いられる「アサーティブコミュニケーション」について考えていきたいと思います。

避けた方がいい伝え方

まずは避けた方がいい話し方について紹介します。

アグレッシブ(攻撃的)

ICT・AST
ICT・AST

先生、抗菌薬始まっているのに血液培養取られていないですよ!
検査お願いします。

この伝え方を聞いて、どう思いましたでしょうか?
一見問題ないように感じます。
確かに、しっかりと関係性が構築されている状態であれば問題ないかもしれません。
ただ、よく考えてみてください。
私は正しいけれど、あなたは間違っている(I’m OK, You’re not OK)」が前提となってはいないでしょうか?
こういった伝え方は、自己中心的なコミュニケーションと言われており、煙たがられる可能性があります。

ノン・アサーティブ(受身的)

ICT・AST
ICT・AST

血液培養取られていないなぁ。
今から取ってもどうせ陽性にならないし、今回はしょうがないか。

あの先生だからしょうがないか、、、といった感じになっていないでしょうか?
遠慮をしすぎて何も行動を起こせていないですよね。
あなたの方が正しい(I’m not OK, You’re OK)」と他人を優先しすぎてしまっています。
私生活の中ではいいかもしれませんが、仕事(ビジネス)の場においてそれはNGです。
それでは適正使用を推進できる訳もありません。

伝わる伝え方とは?

では、どういったコミュニケーションが良いとされているのでしょうか?

アサーティブなコミュニケーションを心掛けよう!

相手の感情にケアをした話し方(I’m OK, You’re OK)のことを「アサーティブ」といいます。

ICT・AST
ICT・AST

先生!
適正使用推進の一環で、抗菌薬の使い方を確認させていただきました。
そうしたところ、血液培養が取られていないみたいなんです。
確かに市中肺炎に対する血液培養陽性化率は多く見積もっても3割程しかないかもしれません。
でも、10人に3人起炎菌がわかるならそれだけで意味はあると思っていて、広域抗菌薬の使用を削減するためにも必要と考えているんですよね。
もちろん私たちは呼吸器の専門家ではないので、先生の経験っていうのも大切にしたいと思っています。
どうでしょう。
今からでも検査お願いできないでしょうか?
症状も安定しているようなので、セフトリアキソン(CTRX)にデ・エスカレーションするっていうのも方法の一つとは考えています。
ご検討いただけないでしょうか?

少し長くなりましたが、今回は「DESC法」という手法を用いて、丁寧に説明してみました。

「DESC法」はこちら

自分たちの意見も主張しつつ、相手の立場も尊重した提案になっていますよね。
一つ一つ「丁寧」かつ「積極的」に行動を起こしていくことがとても重要であり、それでこそ前に進んでいける!
そう思って今回は大事なコミュニケーションスキルについてお話させていただきました。

さいごに

物事を進めていくためには「嫌われる勇気」というのも大切だと言われています。
最初は煙たがられたり、面倒くさいと思われることもあると思います。
私自身もできているか自問自答の日々ですが、そういったことを一つ一つ積み重ねていくことが大切であり、適正使用につながっていくと信じています。