開封後の使用期限は?(消毒薬や医薬品)

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消毒薬などの物品はちゃんと管理できていますか?
1年以上前に使用された薬をそのまま使われたら嫌ですよね。
今回は「開封後の使用期限」について考えていきたいと思います。

まずは使用期限のルールを決める!

例えば、アルコール消毒薬について考えてみましょう。
アルコール消毒剤に含まれるエタノールは揮発(濃度低下)するため、時間の経過とともに消毒効果が減弱していきます。
そのため、ある一定の期間を定めて使用していく必要があります。

また、一度開封した製剤は多かれ少なかれ微生物に汚染されてしまいます。
時間の経過とともに汚染による影響が増加し、むしろ使用することによる悪影響(汚染されたネブライザーによって引き起こされる肺炎など)の懸念が生じます。
誰だって汚い薬を使用されたくはないですよね。

明確な基準は定められていない

インスリン製剤(4週間)やリドカイン(1か月)など、その使用期限が定められているものもありますが、ほとんどは明確な基準が定められていません。
その施設(病院)の実情に沿って、ルールを定めいていく必要があります。
その一例を示したいと思います。

定めた期間を過ぎたら効果がなくなるという訳ではありませんが、一定の基準に従って管理をしていくということが大切です。

いかに実践してもらうかが重要!

せっかくルールを定めても、それを実践できなければ意味がありません。
「いかに実践してもらうか?」
これが一番難しかったりします。

わかりやすいルール作り

誰が見てもわかりやすいルールにしていくことが大切です。
細かく規定するよりも、「1週間」「1か月」「3カ月」「6カ月」といった具合に覚えやすいルールを定めていくようにしましょう。

全てを「1か月」に設定すれば、確かに覚えるのは簡単かもしれません。
ただ、アルコール手指消毒薬を1か月以内に使用していくのは至難のわざです。
大量の廃棄が生まれてしまうかもしれませんし、遵守できていなければそれはそれで意味がありません。
施設(病院)の実情に合ったわかりやすいルールを作っていけるよう取り組んでいきましょう。

すぐに確認できる資料作り

とはいえ、全ての人に暗記してもらうというのは現実的ではありません。
すぐに確認できる資料を作成し、すぐに確認できる場所に掲示していくことで、より実践を促していくことができます。
示した例では「A4一枚」に印刷してパウチ(ラミネート)できるよう資料を作成しています。

ポケット版を作成して、配布したり、保管場所に貼ってしまうのも一つの方法ですね。

さいごに

今回は「開封後の使用期限」についてお話させていただきました。
消毒剤や医薬品の管理は決して一人ではできません。
一緒に働くみんなが適切に管理できるように、どのようにマネジメントしていくかが重要です。
今回の話が少しでも役に立っていただければ嬉しく思います。