空気感染予防策に必要不可欠なN95微粒子用マスク(以下、N95マスク)の使用方法についてお話しさせていただきます。
一時期は新型コロナウイルスによる感染予防のため、街中でもN95マスクを着用している人を多く見かけました。
新型コロナウイルスは小さな粒子(エアロゾル)による感染が否定できないとされており、N95マスクを着用して業務にあたっている人も多いのではないでしょうか。
そんなN95マスクの使用方法について、今一度見直してみていただければと思います。
N95マスクの種類
絶対にどれが良いというのはありません。
自身の顔にしっかりフィットするものを選びましょう。
- カップ型マスク:型崩れしにくい
- 二面折りたたみ(くちばし型)マスク:高いフィット性
- 三面折りたたみマスク:動きに追従する柔軟性
N95マスクのつけ方
① マスクの上下を確認する。
② 鼻あて(ノーズワイヤー)にゆるやかなカーブをつける。
③ マスクで鼻と顎を覆う。
④ 上のゴムバンドを頭頂部(つむじの下)へ、下のゴムバンドを首にかける。
⑤ 鼻あて(ノーズワイヤー)を軽く押して、鼻に密着させる。
⑥ 両手でマスクを覆い、空気漏れをチェック(ユーザーシールチェック)する。
ユーザーシールチェック(日常的な空気漏れチェック)
両手でマスクを覆い、息を吐いたり吸ったりして、空気漏れがないか確認します。
空気が漏れている場合は、鼻あて(ノーズワイヤー)やゴムバンドを調節しフィットさせます。
鼻や顎の周囲が空気漏れしやすく、鼻あて(ノーズワイヤー)が鋭角になると隙間ができやすいと言われています。
フィットテスト(定期的な空気漏れチェック)
正しくフィットできているか、着用方法を確認するために行われます。
使用者の知識の確認(トレーニング)および自身に合ったN95マスクを確認する目的も兼ねています。
米国の労働安全衛生庁(OSHA)では、年1回のフィットテストを義務付けています。
また、「N95マスクの導入時」「体重の増減などで顔の形が変わった時」「着用者からの要望があった時」にも実施されています。
日本では、年1回以上のフィットテストが行われている施設は約3割ほどと言われています。
定性的フィットテスト
フードの内で、味のついたエアロゾルを噴霧して確認するテストです。
簡便で安価ですが、味覚障害を持つ人には不適で、客観性に欠ける点が欠点とされています。
定量的フィットテスト
N95マスクの内側と外側の粒子を測定し、定量的に漏れ率を確認するテストです。
客観的に数値化できるメリットがある一方で、機器の取り扱いが難しく、高額であることが欠点とされています。
マスクの外し方
マスクの表面を触らないように、ゴムバンド(紐)の部分だけを持ち、外すようにしましょう。
マスクを外した後の手指は、ウイルスで汚染されている可能性がありますので手指衛生を行います。
「速乾性手指消毒剤(アルコール製剤)による手指衛生」はこちら
さいごに
空気感染予防策に必要不可欠なN95マスクの使用方法についてお話しさせていただきました。
「結核菌」や「麻疹ウイルス」、「水痘・帯状疱疹ウイルス」に対する感染対策として重要であることは間違いありません。
「新型コロナウイルス」に関しても、咳やくしゃみ、会話のときに口や鼻から出る小さな粒子(エアロゾル)による感染が否定できないと言われており、適切な距離(ソーシャルディスタンス)が確保できない場面や換気ができない状況下においては、N95マスクを使用するということも感染対策の選択肢として有用と考えられます。