海外旅行の前にマラリアの予防薬を!

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日本で暮らしていると、マラリアに接する機会はほとんどないと思います。
ただ、世界では決して珍しい病気ではないんです。
今回はそんなマラリアについてお話していきたいと思います。

マラリアとは?

マラリアはマラリア原虫という寄生虫によって引き起こされる感染症です。
ハマダラカと言われる蚊を媒介として、毎年数億人の感染者数十万~数百万人の死亡者を引き起こします。
世界三大感染症の一つとされ、HIVと結核に並び世界的には重要な感染症とされています。

「結核」はこちら

亜熱帯・熱帯地域に注意!

アフリカ、東南アジア、中南米、オセアニア(パプアニューギニア、ソロモン諸島)などの亜熱帯・熱帯地域に多いとされていますので、旅行の際には注意をお願いします。

蚊に刺されないために!

マラリアに罹らないために、まずは蚊に刺されないよう注意することが大切です。
蚊は色覚が白黒の2色しか感知できないと言われています。
黒い色や暗いところに集まりやすい習性がありますので、その習性を踏まえた対策をしていきましょう。

  • 長袖、長ズボンを着用して、皮膚の露出を控える。
  • 明るい色の衣服を着用する。
  • 夜間の外出は避ける。
  • 皮膚が露出した部分に虫除けスプレーを使用する。
  • 部屋は密閉し、網戸を使用する。
  • 蚊取り線香を使用する。

薬で予防することができます!

マラリアは薬で予防することができます。
現在国内で承認されている予防薬は「メフロキン」と「アトバコン」の2種類です。
その特徴を示したいと思います。

昔からある薬「メフロキン」

商品名メファキン
一般名メフロキン
予防開始時期現地到着の1~2週間前
用法・用量3/4~1錠(275mg)を週1回・食後に服用
予防終了時期流行地域を離れた後4週間
禁忌妊婦・てんかん・精神病
副作用精神神経系の副作用が多く、悪心などの消化器症状もみられる
特徴東南アジア(タイ、カンボジア、ベトナムなど)に耐性が多い

2013年に発売された「アトバコン・プログアニル」

商品名マラロン
一般名アトバコン・プログアニル塩酸塩
予防開始時期現地到着の1~2日前
用法・用量1錠(250mg/100mg)を1日1回・食後に服用
予防終了時期流行地を離れた後7日間
特徴副作用が少なく非常に使いやすいが高価

治療としては「キニーネ」や「プリマキン」などの薬も使用されます。

さいごに

今回はマラリアの予防薬についてお話させていただきました。
流行地に旅行の際は、トラベルクリニックを受診するようにしましょう。