消毒薬より熱!

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消毒と聞くと「消毒薬」を使用しなければいけないと思っていませんか?

実は「熱」による消毒が最強なんです!

環境や手指の消毒には使用できませんが、物品の消毒には非常に高い効果を持つ「熱」についてお話ししていきたいと思います。

熱(熱水、蒸気)が第一選択

「熱」による消毒は、消毒薬と比較して「効果が確実」「残留毒性がない」「費用が安い」ことから、「熱」を加えることができる物品に対しては、第一選択の消毒法とされています。

例えば、ノロウイルスに感染した人が嘔吐した場合、物理的に汚物を処理した後、床などの環境に対しては次亜塩素酸ナトリウム(消毒薬)で消毒しますが、汚染された物品に関しては「熱」による消毒が適しています。
(ノロウイルスを失活させるためは85℃~90℃で90秒以上の加熱が必要)

「次亜塩素酸ナトリウムと消毒」はこちら

熱による消毒例

70~93℃の熱や蒸気

「熱」による消毒は、洗浄から消毒までの一連の過程を自動で行うことができる機器を使用します。
芽胞を除くすべての微生物に有効です。

食器
金属
耐熱性プラスチック
食器洗浄機
(70~80℃・10分間)
ウォッシャーディスインフェクター
(80~93℃・3~10分間)
リネン
(タオルなど布製品の総称)
熱水洗濯機
(70~80℃・10分間)
尿器
陰洗ボトル
吸引瓶
フラッシャーディスインフェクター
(90℃・1分間)

家庭では煮沸消毒が気軽にできて簡便です。
確実な効果を得るために、最低5分間以上の加熱を行いましょう。

熱湯をかけるだけの熱湯消毒は、消毒に十分な時間を確保できず、その効果は限定的ですが、簡易的に行える手法としては有用です。

121℃・20分間の蒸気

100℃では芽胞を形成する細菌は死滅しません。
高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)と呼ばれる機器で、121℃(2気圧での水の沸点)・20分間の加熱処理をすることが必要です。

芽胞(殻)を形成する細菌

  • バシラス属(納豆菌、セレウス菌)
  • クロストリジウム属(破傷風菌、ボツリヌス菌、ウェルシュ菌、ディフィシル菌)

要は、普通の煮沸では死なない菌がいるけど、圧力鍋なら全ての微生物を殺滅することができるということです。
ただ、家庭で行うのは少し難しいかもしれないですね。

さいごに

料理をする時は「火」を通しますよね。
牡蠣は加熱した方が良いって言いますよね。

結局、「熱」が最強なんです!