働いていく上で、伝え方はとっても大切ですよね。
今回はどんなビジネスの場面でも役立つ伝え方のスキル「DESC法」を用いて、どのように抗菌薬の適正使用を推進していくか、考えていきたいと思います。
DESC法とは?
DESC法は「アサーティブ」なコミュニケーションスキルの一つとされています。
「伝わる伝え方とは?(アサーティブコミュニケーション)」はこちら
要するに相手の感情にケアをした話し方(I’m OK, You’re OK)を行う具体的な方法として、DESC法と呼ばれる手法がビジネスの場では有用とされています。
DESC法の手順
- Describe(描写する)
- Explain(説明する)
- Specify(提案する)
- Choose(選択する)
では、このDESC法を用いて、具体的にどのように伝えていくか考えてみましょう。
届出制抗菌薬に対して、適正使用に関するフィードバックを行う場面を想定したとします。
あなたならどのようにフィードバックを行うか(行っているか)、まずは考えてみてください。
DESC法を用いるとこのようになります。
先生!
適正使用推進の一環で、抗菌薬の使い方を確認させていただきました。
そうしたところ、血液培養が取られていないみたいなんです。
(Describe・描写する)
確かに市中肺炎に対する血液培養陽性化率は多く見積もっても3割程しかないかもしれません。
でも、10人に3人起炎菌がわかるならそれだけで意味はあると思っていて、広域抗菌薬の使用を削減するためにも必要と思っているんですよね。
(Explain・説明する)
もちろん私たちは呼吸器の専門家ではないので、先生の経験っていうのも大切にしたいと思っています。
どうでしょう。
今からでも検査お願いできないでしょうか?
(Specify・提案する)
症状も安定しているようなので、セフトリアキソン(CTRX)にデ・エスカレーションするっていうのも一つの方法とは考えています。
ご検討いただけないでしょうか?
(Choose・選択する)
どうでしょう?
相手の立場も尊重しつつ、お互いにどうしたらより良い医療を提供できるか、話し合っていけるような気がしてきましたよね。
特に目の前の問題をどう解決していくか!
問題解決型のコミュニケーションスキルとして、DESC法は有用とされています。
DESC法は様々な場面で活躍します!
今回は抗菌薬の適正使用に絞って紹介させていただきましたが、仕事(ビジネス)をしていく上で、DESC法はどんな場面でも活躍できるスキルと言えます。
- 相手との意見が合わない時
- 無理な仕事を断る時
- 部下の間違いを正す時
自分ならどう相手に伝えるか「DESC法の手順」を基に考えてみてください。
きっとより良いコミュニケーションを構築していけると思い、今回はDESC法についてお話させていただきました。
ちなみに、この選択肢を持たせることが大事だったりします。
さいごに
今回は、問題解決型のコミュニケーションスキル「DESC法」についてお話させていただきました。
時間に限りがある場面においては、結論重視の「PREP法」や印象づけたい場合の「SDS法」なども有用です。
大事なことは、相手と状況に合わせてどう伝えていったらいいかを考えていくことです。
どう伝えて適正使用を促していくかは、とても難しい側面があり、悩まれている方も多いと思います。
今回の記事が少しでも役に立っていただければ嬉しく思います。