このマーク(バイオハザードマーク)を見たことはないでしょうか?
よく映画でも出てきますね。
このバイオハザードマークは、関係者が「感染性廃棄物」であることを識別できるよう表示(ゴミ箱の表面に記載)されているものです。
では、色の違いによる区分については答えられますか?
今回は、バイオハザードマークと感染性廃棄物について考えていきたいと思います。
感染性廃棄物とは?
医療廃棄物は、廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)によってその分類が規定されています。
「形状」「排出場所」「感染症の種類」によって分類し、感染のおそれがあると判断される場合は感染性廃棄物としての処理が必要となります。
厳密には「感染性産業廃棄物」と「感染性一般廃棄物」に分類することができますが、病院や施設では「感染性産業廃棄物」としてまとめて処理することが可能です。
細かくは自治体や処理業者によっても異なりますので、ご自身の所属する施設の規定をご参照ください。
施設内における保管は?
感染性廃棄物の保管は、特別な配慮が必要となります。
まず保管は極力短期間とし、長期間置きっぱなしにしないよう注意が必要です。
保管場所には、関係者以外立ち入れないように配慮して、他の廃棄物と区別して保管しましょう。
患者さんの手の届くところに、感染性廃棄物を置いていないですか?
時折見かけるのがこちらです。
感染性廃棄物が廊下に置きっぱなしになっているのは当然NGです。
「インスリンの針捨てボックス」や「感染症病床からの廃棄物」など、患者さんの手の届くところ(病室内)に置いていないでしょうか?
感染性廃棄物はその名の通り、感染のおそれがある廃棄物です。
患者さんが手を突っ込んだり、ゴミ箱をひっくり返してしまったらどうなるでしょう?
バイオハザードマークのついたゴミ箱は、患者さんの手の届かないところに置く!
ご自身の所属する施設において、まずはこのことを確認していただければと思います。
色による廃棄物の分類
ここからは、バイオハザードマークの色の違いについて説明していきたいと思います。
色 | 内容 | 容器の例 |
赤色 | 液状または泥状のもの(血液など) | プラスチック容器 |
橙色 | 固形状のもの(血液が付着したガーゼなど) | 二重のビニール袋 段ボール+ビニール袋 |
黄色 | 鋭利なもの(注射針など) | プラスチック容器 |
このように色分けするのが一般的です。
病院(施設)における色分けの例
とは言え、たくさんの色があっても遵守するのは難しいですよね。
「赤色」と「黄色」に関しては、両方とも(貫通しない)「プラスチック容器」での廃棄が必要となります。
そのため、「プラスチック容器」をまとめて、黒いバイオハザードマーク(ペール缶)で表示されることがあります。
簡単な覚え方としては、段ボールやビニール袋を突き破る可能性のある感染性廃棄物(液体や鋭利なもの)は「黒いバイオハザードマーク(ペール缶)」へ、その他の感染性廃棄物は「橙色のバイオハザードマーク(段ボール)」へと覚えていただければと思います。
実際には「黒色」は「橙色」を含めた全ての感染性廃棄物を兼ねることもできます。
ただ、廃棄費用が高いというのが現実です。
固形状のものはしっかりと区別して廃棄するようにしましょう。
さいごに
今回は感染性廃棄物の処理方法についてお話させていただきました。
大事なことは「どうみんなに厳守してもらうか?」ということです。
感染性廃棄物を適切に区分けできなければ、針刺し事故などにもつながります。
そうならないためにも、今回お話した内容が役に立てれば嬉しく思います。